MRSAは、黄色ブドウ球菌の中の一つの変異株で、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌の略語になります。黄色ブドウ球菌は健康な人の鼻、喉、皮膚、腸管といった箇所に常在して、悪さをするとにきびやおできなどをつくることになり黄色い膿を出します。
MRSAは黄色ブドウ球菌の一種でも、薬剤の効果が低下してしまった細菌になります。病院での院内感染を起こす重要な細菌として、その名前が知られるようになりました。
MRSAに感染すると次のよう2つのプロセスから症状が起こります。一つは、MRSAに感染することによる症状皮膚軟部組織感染症、肺炎、敗血症、関節炎、骨髄炎で、もう一つは、毒素による症状胃腸炎、毒素性ショック症候群、皮膚剥奪症候群などです。
MRSAは、人の手や衣服、寝具、医療機器、空気などを介して広がり、口、呼吸器、傷口から侵入します。
薬剤耐性をもつMRSAですが、恐れられているわりには毒性や感染力は強くありません。全エネルギーの9割を薬剤への耐性獲得に費やすので、毒性を発揮するためのエネルギーとしては一割程度しか残らないからです。
MRSAは一種類ではなく、個々の菌によって薬剤に対する耐性が強く、しかも強い病原性をもつMRSAが、これに打ち勝てないほど抵抗力の衰えた人、大手術の後、カテーテルを入れている重症患者、免疫不全状態や抗がん剤使用中の人などの体内に入り込むとやっかいになります。
他の細菌がいなくなって働きが活発化したMRSAは肺炎や腹膜炎、腸炎、敗血症などを起こす恐れがあります。
一方、病原性の弱いMRSAは長期にわたって保菌しても、感染症を起こす心配はほとんどないといいます。この病原性の違いは、菌が作り出し、菌体外に分泌する各種の毒素や菌体外の酵素の違いによります。
日常動作が不自由というだけの寝たきりの高齢者が保菌するMRSAは病原性の弱いタイプが多くなります。ただ、保菌しているだけで、そのために状態が悪化することはほとんどないことがわかっています。
黄色ブドウ球菌は耐性が非常に強い菌なので抗菌薬の使用にも十分な注意が必要になります。入院治療が基本になり、使用する時は医師の管理下で用法、用量、服用期間をシッカリと守っていく必要があります。
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