ピロリ菌感染症は、上部消化管潰瘍発生の主要な要因であることが明らかにされました。胃潰瘍では80パーセント、十二指腸潰瘍では100パーセントピロリ菌の感染がみられます。そういうことから、ピロリ菌を除菌治療することは消化性潰瘍の再発予防に対して効果的な方法で、保険適応にもなっています。
日本では、ピロリ菌感染者は数千万人とされています。その上ここ数年、ピロリ菌は消化管以外のさまざまな疾患との関連が注目されている常在菌の一つになっています。
ピロリ菌との関係が注目されている病気にMALTリンパ腫という病気があります。
この病気は、リンパ球のなかのBリンパ球から発生する低悪性リンパ腫で、ピロリ菌がこの病気の発生に密接に関連していることが知られています。
MALTリンパ腫で、注目をあつめている点は、組織学的に悪性度が低いものではピロリ菌の除菌だけで約70パーセントの症例で腫瘍の消失あるいは縮小がみられることです。
特発性血小板減少性紫斑病でもピロリ菌の関与が注目され、ピロリ菌の除菌のみでも血小板の増加がかなりの症例で認められることが明らかになり注目されています。
ピロリ菌感染と特発性血小板減少紫斑病のメカニズムの関係ははっきりとしていませんがピロリ菌に対する抗体が血小板膜蛋白と反応しておこるのではないかと推測されています。
紫斑病の治療ではピロリ菌の陽性を確認したあと、その長期予後に関して明らかにはなっていません。
ただし、簡便かつ安全性が高いと考えられているため、除菌療法がおこなわれていることが推奨されています。
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