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呼吸器の病気

肺化膿症は、肺の一部に細菌感染による炎症がおこり、化膿した状態になる病気で、細菌性肺炎の重症化したタイプといえます。

誤嚥をおこしやすい高齢者、麻酔や飲酒の影響で意識が薄れた人、身体の免疫機能が低下した人などに肺化膿症は発症します。

肺組織の損傷の程度は、誘引になる細菌の数や性状によって変わってきます。嫌気性菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、クレブシエラ、大腸菌などが肺化膿症を起こしやすい細菌になります。

肺化膿症の症状は、疲労感や食欲不振などからはじまり、やがて痰をともなう咳がでてきます。痰は悪臭を帯び、血が混じることもあります。

症状が長引いてくると体重が減少し、発熱などもみられるようになります。

肺化膿症の原因は、口やのどにある細菌です。細菌が肺のなかに吸い込まれて感染症をおこしてしまうものです。意識障害のある人は誤嚥をおこしやすく、細菌が気管のほうに流れ込んでしまいます。

それが肺の中で増殖し、感染を広げることになります。

治療法としては、殺菌作用のある抗生物質を点滴注射をします。症状が回復し始めたら、点滴からのみ薬にかえますが、完治までには数週間から数ヶ月かかります。

薬物療法のほか、体位ドレナージで膿瘍の排出を促したり、気管支鏡で痰を吸引します。

肺化膿症の治療は入院治療が基本となります。検査により誤嚥性肺炎なのか、血行性感染なのかをはっきりとさせます。

誤嚥性肺炎では、嫌気性菌の関与を考慮して、ペニシリン系とβ―ラクタマーゼ阻害薬との配合薬、クリンダマイシン、カルバペネム系抗菌薬がすすめられます。

血行性感染が原因のものは、原発の病巣を特定して、抗菌薬を選びます。


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